冬のヒカリ
第一幕
コミネカエデ
明るい日差しが俺の目に入る。
鬱陶しい一日がまた始まる。
夏も終わりにかかって、肌寒い日が続いていく。
半袖じゃやっていけないような日ばかりだった。
いつものように準備をして、いつものように仕事にいく毎日。
何気ない日常を彩るための“ナニカ”なんて俺にはなかった。
パソコンに電源をつけて、
ゲームをするか、又は友人に誘われて時々外出をする程度。
恋人なんてここ一年以上いるわけでもなく、
俺みたいな性格のやつはすぐにフラれてしまう。
…冷たいとさ。
冷淡だのなんだの、目つきが悪いだのなんだの。
好き勝手いって俺に物を投げつける
今まで付き合った人達を思い出す。
…イライラしてきた。
俺は机の上にあったタバコに手を伸ばして箱をあける。
…が、そこはただの空洞。
つまり空だった。
……こういう時に毎回ねぇんだよな。
俺は重い腰をあげて、財布と携帯を持つ。