純愛〜彼と私の物語〜
治療
1週間後
「こんにちは」
茉莉愛は健太郎の勤めるグローバル治療院に来ていた。
「いらっしゃい」
受付の50代くらいの女性が対応した。
「あの、予約しました、木下です」
「はい、お待ちしていました。どうぞ」
茉莉愛は入口に松葉杖を置き、ケンケンして施術室に入った。
施術室は個室に分かれて3部屋あった。
こじんまりとした治療院で有線が流れていたが、何となく、健太郎のイメージとは違う気がしていた。
「お待たせしました」
健太郎が施術室に入って来た。
「よろしくお願いします!」
茉莉愛の元気よい女子高生らしさが健太郎には眩しく思えた。
「茉莉愛さんは、何の部活をされているんですか?」
施術中、健太郎は茉莉愛をリラックスさせて整体を受けさせる為に、色々な話をしてくれた。
「バスケです!最後の大会が近かったけど、無理になっちゃいました」
「残念ですね...」
「仕方ないです。それより、年明けの受験の方が私には、辛いです!」
「受験て、大学ですか?短大?」
「いえ、そのどちらでもないです。...私、看護学校を受験するんです」
「看護婦さんになるんですかぁ?」
「いや、受かったらの話ですけどね...」
「茉莉愛さんなら大丈夫ですよ」
「いやいやー!分かりませんよー」
「茉莉愛さんの身体を診れば、分かります」
「身体?」
「はい」