純愛〜彼と私の物語〜
「えっ?じゃあ、全然会ってないの?」
「…うん…」
「なら、益々チャンスじゃん!」
「そうかなぁ…」
今更って気もするけど、頑張ってみるかっ!
「里奈!これからチョコの材料買うの付き合って!」
「OK!そうこなくっちゃ!」
バレンタインデー当日
「こんにちは…」
「あら、久しぶりね!茉莉愛ちゃん」
受付のおばちゃん、相変わらず元気そうだ。
しばらくして施術室に健太郎がやってきた。
「茉莉愛さん、お久しぶりです」
健太郎もいつものように声をかけてくれた。
…が…いつもと違う…
視線だ…目を合わそうとはしない…
施術中もなんだかよそよそしい健太郎…
「あの…」
茉莉愛から話かけようとした。
…が…
何て話したらいいんだろう…
「今日、いつも担当する患者さんがいらしてね」
健太郎から話かけてくれた…
「その患者さん、ご結婚されたんです。きっといつか茉莉愛さんも<結婚しました>って報告される時がくるんでしょうね」
…えっ?…健太郎先生…そんな…