純愛〜彼と私の物語〜
恋人
「先生!やっと会えたーーーーー!!」

茉莉愛が嬉しそうに健太郎に言った。


「お帰りなさい」
健太郎が落ち着いた声で答えた。


「もー!先生と会えなくて寂しかったよー」
そう無邪気に言う茉莉愛を健太郎はうらやましく思った。


僕も会いたかった…
そんな風に言いたかった…
…でも、言えない…

だって…
10歳も年上だから…


「夕食は?まだなら、一緒に食べますか?」

「はい!一緒に食べたい!」



2人はハンバーグ専門店に入り、デミグラスハンバーグを注文した。


茉莉愛は京都での仕事をあれこれ話し、健太郎は黙って聞いていた。

「ねぇ?先生?聞いてる?」

「聞いてるよー」

「なんか、疲れてる?」

「いや、むしろ、逆だよ」

「逆?」
意味が分からない…と言いたげに首を傾げる茉莉愛。

「茉莉愛さんのその純粋さに元気をもらってるよ」

「本当!?良かったぁ」
ハンバーグを美味しそうに頬張りながら、笑顔な茉莉愛。



「ごちそうさま!美味しかったぁ!」

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