純愛〜彼と私の物語〜

「あっ、ご、ごめん…」

健太郎は茉莉愛から1歩離れた。

「…なんで?なんで謝るの?」

茉莉愛は健太郎を真っ直ぐに見た。

「…」

「…なんで?」

「僕はまだ1人前ではないから…」

「1人前?」

「うん…。まだ独立していないから」

「治療院を?」

「…うん…」

「そんな事、関係ないよ!」

「いや…順番が違う…」

「順番?」

「…」

「人を好きになるのに順番とか関係ないし!」
茉莉愛は怒りを感じた。
あまりにも律儀な健太郎を…


もっともっと

いい加減な人はいっぱいいる

健太郎は真面目すぎる

もっと素直に…



でも…

そこが健太郎のいいところなのだろう…

…先生…

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