純愛〜彼と私の物語〜
「足、どうされたんですか?」

「あっ、ちょっと部活で...」

「大丈夫ですか?荷物持ちますよ」

「いえ、いえ、大丈夫です!家まですぐなんで」
遠慮する茉莉愛を無視して、健太郎はカバンを持ち、ゆっくりゆっくり茉莉愛の松葉杖の速度に合わせながら、歩いてくれた。

...先生...めっちゃ優しい...彼女とかいるかなぁ?...いるよねー...聞きたい...聞けない...聞きたい...聞けない...

「着きましたよ」

「へっ?あっ、あー、ありがとうございました」

「じゃぁ、僕はこれで」

「ちょ、ちょっと待って下さい!お茶でも...」

「これから、仕事ありますから」
と言って微笑んだ健太郎の笑顔に茉莉愛が惹かれたことは間違いなかった…

ヤ、ヤバイ...これが...恋ってヤツ?




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