明日、嫁に行きます!
 専用エレベーターで階下へと降り、フロントロビーのソファに座る妙齢の美女に目を向けた。
 僕に視線を合わせた女性は、妖艶な笑みを唇に浮かべてゆっくりと立ち上がった。

「貴方が鷹城総一郎さん?」

 にこりと鷹揚に笑う彼女の瞳は、相反する凶悪な色が浮かんでいた。

 ――――まあ、そうなるだろうな。

 彼女の娘を、僕は理不尽な手を使い奪い取ろうとしているんだから。

「ええ。僕が鷹城総一郎です」

 そういって手を差し出し、握手する。
 僕は彼女を伴って、1階に併設されたカフェへと誘った。
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