明日、嫁に行きます!
けれど、この惨状が、まさか本当に寧音の興味を惹くだなんて。
正直思ってもみなかった。ある意味これは賭だった。
マンションに寧音を連れてきた時、僕は内心不安でいっぱいだった。
普通に考えれば、こんなゴミ屋敷に女を連れてきたら間違いなく尻尾を巻いて逃げるだろう。
容易に想像できることだ。
でも、寧音は違った。
爆笑して、嬉々と部屋をかたづけて回ったのだ。
寧音の母親の言葉は嘘ではなかったのだと胸をなで下ろすと同時に、驚きを禁じ得ない。
寧音の好む男の趣味が僕の常識から逸脱していたから。
でも、それすらも、寧音に惹かれてゆく要因にしかならなかった。
どんどん惹かれてゆく想いと同じ速度で、狂おしいまでの独占欲に支配されて。
そして、抵抗を繰り返す彼女を騙すような形で僕は寧音を手に入れた。