とある人に迫られて
放課後帰ろうとしたときに、忘れ物に気づいた私。
それを取りに教室に戻ると、
『―――あれ、榛磨?』
そこには、唯一の男友達が残っていた。
『おー、椎那じゃん。なに、忘れ物?』
突然出てきた私に気づいた彼が、人懐っこい笑顔を浮かべて駆け寄ってくる。
『そう、うっかりノート忘れちゃって。榛磨は何してるの?…………あ、あった!』
『ん?んー…、なんか、椎那が来る気がして。ちょっと残ってた』