年下はキライですか?【完】
「オニイサン。梨花ちゃんの事、よろしく頼みます」
「は!?」
梨花ちゃんは離れたところで放心状態だった。
こんな別れ方するなんて、俺ってかなりひどい男だ。
俺は佐野さんの手を取って、勢いよく走りだした。
「え!?っちょ、ちょっと!!!」
佐野さんはすげー驚いてて、何がなんだかわかんねーって顏している。
「桐島くん⁉︎ 離してっ!?」
「嫌ですっ」
嫌がる佐野さんの手を強く握って走った。
出口の所でようやく俺は手の力を緩める。
呼吸を乱していた佐野さんはかなり辛そうで。
「わ、私、運動不足ってか…年なんだから…こんな全力疾走させないでよ!?」
ゼイゼイいいながら胸を抑えていた。