年下はキライですか?【完】
「う…嘘でしょ?なに…言ってるの?」
「嘘じゃないです。もー、佐野さんの事考えると頭おかしくなりそうなんで。助けてください」
「そんな…嘘、嘘だよっ…」
佐野さんは自分に言い聞かせるように、何度も『嘘…嘘…』と繰り返していた。
そんな佐野さんの事が愛しくてたまらない。
なんか、女性に母性本能があるとしたら、男にも父性本能があるんじゃないかと思う。
俺は佐野さんをぎゅーっと抱きしめた。
一度くっつくと離れたくなくて。
「桐島くんっ…私の事からかってる!?気を遣って言ってくれてんじゃ…」
この人はまだわかってないようだ。
「本気なんですけど。いい加減信じてください」