年下はキライですか?【完】
佐野さんの方を見ると、すでに自分のデスクに戻っていて、仕事をしていた。
佐野さんはああいうのタイプじゃねーのかな…
ちょっと不安になってしまう。
「あー、みんな悪いがちょっと前に集まってきてくれ。朝礼する」
その時課長が突然大声でみんなを呼びかけた。
ぞろぞろと俺らは前に移動する。
朝礼なんて月一くらいしないのに何事だよ。
「千葉県支部から研修に来た速水だ。わからない事も色々あると思うから助けてやってくれ」
「速水雄一です。よろしくお願いします」
千葉から研修?つーことは、入ったばっかか…そしたら俺より年下か?
速水は新人らしく、緊張した面持ちで挨拶していた。
「あーじゃあ、とりあえず……佐野!」
「は、はい!?」
なぜか課長はぼーっとしていた佐野さんに声をかけた。