年下はキライですか?【完】
「え?俺の話??」
「ちょっと、美里!!」
「いーじゃないですかっ。何?悪口じゃないでしょーね」
「悪口じゃないけどっ…」
返答に困っていると、遠くから梨花ちゃんが歩ってくるのが見えた。
思わず顔を下に向けてしまった。
しかし梨花ちゃんは私達に気づいてしまったようで。
「秀人くんっ」
以前と変わらない呼び方で桐島くんを呼んだ。
この子、私が側にいるのにすごい根性だ。
もしも私が梨花ちゃんだったら、この場からきっと逃げるだろう。
おかげですごくキマヅイ。
これが 修羅場 というものなのだろうか。
なんだか周りの人達も興味津々に私達の方を見ている気が……
「あー…なに?」
桐島くんは無愛想に答えている。
「……そんな冷たくしないで」
消えてしまいそうなくらい弱々しい声。