年下はキライですか?【完】


…いつになったら帰れるんだろう。


4人で飲んでから1時間くらいになるけど、話が途切れることがない。


おしゃべりな兄妹だ。


いい加減愛想笑いも疲れてくんだよ。


三十路になるとこのくらいの時間からメイクが落ちてきて肌がボロボロになってくる。


こっそり何回もあくびしてるから、絶対目尻のアイラインとれて滲んでるんだろうな。


「お手洗いに行ってくるね」



そう言って立ち上がった私の後を、桐島くんが「オレも」と言って追いかけてきた。


とりあえず無言でトイレ前まで歩く。


「…帰りてぇ」


ポツリと桐島くんが呟いた。


「え?」


「佐野さんもそー思ってるでしょ!?」


「そんなことないよ」


「いや、嘘だし。顔に書いてあるし」


咄嗟に両手で顔を覆ってみる。


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