年下はキライですか?【完】



「うめーっ!仕事の後のビールほどうまいもんはないですよ」


「だよね」


次々と運ばれてくる焼き鳥やら刺身やら軟骨の唐揚げなんかに手を伸ばしていると、桐島くんがぽつりと言った。



「まさか梨花ちゃんのお兄さんが、佐野さんのイケメン君だとはね」



ドキッとして箸から軟骨の唐揚げが転げ落ちた。


「…うん。ホントにびっくりした」


「佐野さん、あれからどっか行ったんですか?」


「…え?」


「お兄さんと。うまくいったのかなーって」



あの日―――


桐島くん達が帰って、光喜くんとちょっと飲んでから店を出たんだけど…



またホテルに行こうって言われたのに、断ってしまった。



勿体ない事してるなーって自分で思ったけど。


気が乗らなくて。


なんでだろう。


せっかく私を気に入ってくれてたのに。

多分、断ったらもうお誘いなんて来ないだろう。

わかっていたけど…私は行かなかった。

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