年下はキライですか?【完】
それから、近づくと危険だという事がわかり、俺と佐野さんは1m以上離れて座っていたと思う。
気まずい雰囲気になるのがいやで、連続で何曲も歌った。
佐野さんは酒を飲むピッチが早くなってて、ちょっと心配になった。
その心配が見事に的中する。
佐野さんはソファーにぐてーっと、横になってしまって。
「佐野さーん!もう時間ですよ!?」
耳元で叫んでみても、顔をしかめるだけで中々起きない。
仕方なく、肩を持って体を起こしてみた。
なのに、佐野さんはまた横になろうとする。
「…水飲みます?」
「うう…ん」
俺の胸の中に倒れこんできた。
非常にヤバイ。
佐野さんは、香水なんかめったにつけない。
だけど、すげーいい香りがする。
なんだこれ…すげぇ、安心するような。
母親のような暖かさ。