年下はキライですか?【完】



それから、近づくと危険だという事がわかり、俺と佐野さんは1m以上離れて座っていたと思う。


気まずい雰囲気になるのがいやで、連続で何曲も歌った。



佐野さんは酒を飲むピッチが早くなってて、ちょっと心配になった。




その心配が見事に的中する。


佐野さんはソファーにぐてーっと、横になってしまって。


「佐野さーん!もう時間ですよ!?」


耳元で叫んでみても、顔をしかめるだけで中々起きない。


仕方なく、肩を持って体を起こしてみた。


なのに、佐野さんはまた横になろうとする。


「…水飲みます?」


「うう…ん」



俺の胸の中に倒れこんできた。


非常にヤバイ。


佐野さんは、香水なんかめったにつけない。

だけど、すげーいい香りがする。


なんだこれ…すげぇ、安心するような。


母親のような暖かさ。



< 84 / 175 >

この作品をシェア

pagetop