年下はキライですか?【完】
「これ運んでいたらね、床に全部ばらまいちゃって…番号通りに並べ直してるの…」
数百枚のレセプトを番号通りに…気が遠くなる作業だ。
床にばらまくなんて佐野さんらしい。
「手伝いますよ」
俺は佐野さんの隣に座った。
「えっいいよいいよ、遅くなっちゃうし!」
「平気です」
「…梨花ちゃん、待ってるんじゃない?」
「…残業だって言えば大丈夫だし、佐野さんは気にしないでくださいよ」
笑顔を向けると佐野さんは申し訳なさそうに頷いた。
もくもくと作業を続けていると佐野さんがぽつりとつぶやいた。
「桐島くんって…優しいよね」
「え?」
「助けてほしいときにいつも助けてくれるじゃない?…そういうのって女の子はすごい嬉しいと思うよ」