サボり魔様のバスケ論【短】
「いっつも俺を誰も見てくれない」
ポツリとつぶやかれた言葉は、いつもの声色ではなく恐ろしいくらいにか弱い声だった。
どうして、そんなに泣きそうな声で喋ってるの??
そう聴きたいけれど。空気を壊しちゃいけないのでお口チャックします。あ、この発言自体が空気を壊してる??……すいません。
「今まで告白してきた女みんな俺の顔ばっかしか見てねーし」
だから、お前は違うって思ったとき嬉しかったのに……。そう彼はつぶやくと垂れていた顔を上げた。
薄く笑う彼の顔は傷ついたようにゆがめられていた。