サボり魔様のバスケ論【短】
サボり魔さま
トントントンットントントンッ
シューズの音が階段に響く。階段を上がるたびに長い真っ黒の髪がふわっと揺れた。今日で屋上に向かうのも百回目。
手馴れた手つきで立ち入り禁止とかかれたパネルを横にどかすと、ドアノブに手をかけた。
――ガチャッ
さっきまで薄暗かった場所にいた所為で、ドアの向こう側から入ってくる太陽の日差しに目を細めた。
『まぶしい……』
そして、給水タンクの近くで寝っ転がっている男のこの方へ歩いていった。彼の、茶髪の髪が風でふわっと揺れる。