桜色の恋~3ヶ月の幸せ~



「ほらー、永田と仁野は早く席につけー。」


先ほどまでのことは何もなかったかのよう
に先生は授業を再開した。


「桜っ!」


そう言って寄ってきたのは美奈だった。

今は午前の授業が終わり昼休み中。

今までみたいに4人で中庭にいて食べて
いる。


「でさー、もう涙が出るくらい笑ったからね〜。って、條!聞いてるのー?」


他愛もない話をしている。

あたしのそばにはいつも美奈がいてその
そばには條くんがいて、廉くんがいる。

それがなくなると思うと、目から温かい
ものが零れそうになった。

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