桜色の恋~3ヶ月の幸せ~
廉くんのせいといえば廉くんのせいだけどこの涙は、悲しいんじゃなくてきっと、嬉しい涙なんだ。
覚えてくれていたということに対しての。
「うぅっ。覚えててくれてっ、うれしいょー。」
何言ってんだよって顔でこちらを見てい
る。
「当たり前だろ。何言ってんだよ。」
その言葉にさらにうれしくなって、また泣いてしまった。
「もーぅ。桜は、泣き虫だなー。」
「早く泣き止めーっ!」
そう言って、頭をなでなでしてくれた。
小さいときから私が泣くとこうしてくれた。
「もう!子供扱いしないでよ!」
口ではこう言っているが、実際はかなりうれしかった。
「えっ。子供でしょ?まだまだ桜は。」
なんだか悔しい。
「うぅー。」
「あはは。ほんと変わらないなー。」
廉くんが笑うと私もなんだかうれしい気分になって泣いていたことなんか忘れたかのように笑った。