桜色の恋~3ヶ月の幸せ~




美奈side



ううっ。


なんでよぉ、なんでいなくなっちゃったのぉ?


あたしには、桜しかいないのにっ。


ねぇなんでぇ?


そんなことを思いながら座り込んでわんわん泣いていると、すっと手が出てきた。





不思議に思い、顔を上げると桜のお母さんが目を赤くしながらこちらに一通の手紙を差し出していた。


「桜からよ。読んであげて頂戴?」


と、言われて読もうと思ったものの、手が震えて読めなかった。


だって、読んでしまったら桜の死を認めてしまうような気がしたから。


でも、封筒を見て思った。


読まなきゃって。


だって、涙の跡があったら。


桜だっていろいろな思いで書いたんだ。


あたしが現実から目を背けていちゃ桜も悲しむって。




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