毛糸玉
序章
甘味
「源さん・・・・」
触れられた頬や唇が熱をもつのがわかっていく。
優しくその白く繊細な指は私の首、鎖骨、腕へと移動していく。
身体が熱くなってゆく私をじっと見つめるその熱っぽい鋭い瞳に、
余計身が火照っていく気がした。
「げ…ん…さん…。」
消えそうな声で必死に彼の名前を呼ぶと、伏せていた目線を
ちらり、とこちらに向けてまるで私が欲しているモノを全て
わかっているかの様な妖艶な笑みをみせる。
「どうした?」
するり、
と柔らかい動きで私の太ももを撫でて私の反応を見て楽しそうに
クツクツと笑う。
その何もかも見据えたかのような
黒い宝石に似た瞳と、
キレイに弧を描く口元
その全てが私の身体を熱っぽくしてゆく。
好き…。
ふとその言葉で脳内がうめつくされる。