毛糸玉
「お嬢さん。」
「は、はいっ!」
「よろしかったらお茶でもどうですか?」
「え…っ」
私が間抜けな声を出すと、
口元にてを当ててクスクスと笑い出す。
その妖艷な笑みに私は顔が熱くなるのがわかった。
「大丈夫。
とって食うつもりはないよ。
…なにぶん、お客は久しぶりでね。
少し俺に付き合ってくれますか?」
首を傾げて深く黒い瞳で私をみる。
私はいつの間にか首を縦にふって、
その男性についていっていた。
これが私と
“源さん”の出会いだった