毛糸玉



一度そう思ってしまうと、
なかなかその言葉は頭から離れなく、
より大きなものへと変わっていく


愛おしい


愛おしい


その瞳も

その唇も

その指先も

その冷たい肌も


全てが愛おしくてたまらない。



私は思わず彼の着物の袖をつかむ。


「ん?」


驚いたかのような表情の彼に私は…



「す……



……き……っ」


絞り出した声の後に気づいた




―また彼を困らせてしまった――――






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