毛糸玉



そして何を思ったのかは知らないが、

フゥ…
と息をはく。

ビクリと反応をする私を見て口元に弧を描いた。



…この人は何もかもわかってやっているのか。
または只の性格が悪いだけなのか?

…いや、どちらにしろ悪すぎる。

私はそっぽを向いて彼から視線を離す。


そすると彼は「おや、怒らせてしまったか。」
と言いあぐらをかく。

「喜んでいるのに、怒るフリをするところも若いねぇ。」

“若い”
その言葉に歳の差を感じ、
何故かカチンときた私は彼に向き直す

「おや?」

「ジジ臭いですよ?」


私がその言葉をかけると、

「煽ってきますねぇ、キミも。」

と、いつものやりとりがはじまる。


私達の間にもし、共通の友人がいるとしたならば、『またか』
と言われるだろう。


「キミにはやはり早すぎたかな、もう少しおとなになってからした方がよかったかねぇ。」

あごに指をあてて、首をかしげ、
お得意の笑みをみせる。


あぁ…

“確信犯”

私は負けじと言い返そうとするが、彼の“年齢”
からしたら私は子供なのだろう。


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