毛糸玉
路地を抜け、
ネコは信号が青になったのを見て、
ぽてぽてと歩く。
「…賢いなぁ」
そんな事をボソッと呟きながらネコを追いかける。
そして、そこをまっすぐ歩くと、
林が見えた。
…ううん。森なのかな?
その森を覗いてみるとキレイに道ができていた。
その道をそってそのネコが愛らしく歩いて行く。
私は一歩足を踏み入れた
ドクン
心臓が跳ねる音がする。
まるで、ここに入ってはいけない。
そう言われている気がした。
けれど人間は好奇心に勝てるはずもない。
不思議な雰囲気を醸し出すその森は私はゆっくりと足を踏み入れ、
心臓がドクドクと跳ねていくのを感じながら進んでいく。
心臓の跳ねる速度が加速する。
そして私の足もどんどん早くなる。
ネコは一定の速度で歩いているはずなのに、
追いつかない。
「まって、まって…!」