意地っ張りな2人
「久しぶりにお姉ちゃんのスタバいこっかな。」
私は1階に下りて、お姉ちゃんが店長をやっているスタバにいった。
「いらっしゃいませー。」
レジの人はお姉ちゃんじゃないみたい。
私はバニララテを頼んで、店を出ようとすると、
「美奈?」
「お姉ちゃん!」
「どーしたの?」
「いや。別にちょい悩み事…お姉ちゃんは?」
「いや、滝のようすが可笑しいから学校から電話来てね。」
滝とは、お正月に会ったおねいちゃんの子供、今中学1年生。
中1とは思えない大人っぽさ。
そして、美形。喋りやすいし、多分モテモテなんだろう。
「そーなんだ…」
「…美奈!あんたも来なさい」
「え?!おねいちゃん?」
私はおねいちゃんの車に乗せられ、呆気なく、私が通っていた母校の中学校に着いた。
「ちょと待ってて、」
ポツンと車に残され、数分後お姉ちゃんと学ランを着崩した滝が車に帰って来た。
滝は、後部席に乗ると、ボーっと遠くを見つめていて、喋りかけても返事は無かった。
「滝どうしたの?」
「さー。なんか、朝からこんなんなんだって。」
「何だろう?」
「て、今思えば、美奈あんた学校は?」
「今日は、テスト。」
「あぁー。」
気が付けばもうお姉ちゃんの家についていた。
「ほらーー、滝ー!着いたよー」
滝は静かに車を降りた。
「もー。どうしたんだろぅ。」
「お邪魔しまーす。」
「どうぞ。」
お姉ちゃんは私にコーヒーを入れてくれた。
やっぱり、スタバの店長が入れてくれる、コーヒーは美味しいなー。
なんちゃって。
何でこと考えてると、お姉ちゃんは真面目な顔になって、
「で、どうして、悩んでたの?」
「うぅ…別に…」
「隠さないで話して!」
私はおねいちゃんに負けて、今まであった事を話した。
「掛けねー。でさ、美奈はその赤石君のこと好きなんでしょ?」
「…まぁね\\\\\\\」
「なら、信じるべし!」
「でも、ブザービーターだよ?いくらなんでも、狙って出来るもんじゃないよ…」
「やっぱり、美奈は馬鹿ねー。」
「なっ!!そんなの分かってるよー。」
「違う違う。だってブザービーターはいっぱい狙えるよ?」
「なに言ってんの?4回だけだよ。チャンスは…」
「そっちがなに言ってんの?だよ。
だって、ブザービーター。そう言われたんでしょ?」
「うん。」
「なら、24秒のタイマーでも、ブザービーターは出来る。」
「!!!!!!!!!!!」
「24秒は、自分達が攻めてる時だから、チャンスはいくらでもある。
ブザービーターしろって、赤石君は知ってるんでしょ?」
「うん。あいつが言ったみたい…」
「なら、赤石君も分かってるよ。彼も経験者なんだから。てか、その飛鳥って子はバスケ知らないでしょ?だから、そこまで考えてないよ。
まぁ、経験者なのに、知らない子もいるみたいだけど。」
お姉ちゃんはそういい私に向かってニヤリと笑った。
その姿が何と無く、お母さんと滝に似ていた。
「もーー、いいじゃんか。」
「よし!やっと元気でたね!」
「うん。ありがと。」
「もう、こんな時間じゃん。」
気がつけば、早いことに家の時計は6時を指そうとしていた。
滝を迎えに行ったのが2時30分くらい…
時間が経つのは大分早く感じた。
「さてと、今日は早く帰ってきたし、もうご飯作ろっと。美奈あんたも食べて行き。」
「いいの?やった!久しぶりだなーお姉ちゃんの料理。」
「今日は、滝が元気ないから、滝の好きなコロッケ。」
「よし!私も大好物!!」
「じゃ、作るから待っててー。」
「はーい。」
私はおねいちゃんから台所を追い出され、暇だったので、滝の部屋に行った。
滝はいつから、その体制をしていのか。
ずっとベッドに寝転がり、おでこに手を起き、天井を見上げていた。
「滝…」
私が声をかけると滝はゆっくり立ち上がった。
「美奈ねぃちゃん。来てたの?」
「うん。ちょとね。用事があって。
それより、滝はどうかしたの?」
「…」
「なんかあったんでしょ?私もさっき、お姉ちゃんに話を聞いてもらったんだ。」
「お母さんに?」
「そう。人に話したら、気持ちいいよ。」
「…俺、まぁ、父さんに似て顔はいいじゃん。」
「うん。」
「だから、まぁモテモテなのよ…」
「だろうね、」
「告白は数え切れないほどされて来たし、今は学校で俺派か陸兄ちゃん派かあるくらい人気なんだ。」
「え?!陸が?」
「うん。まぁ、陸兄ちゃんには、マネージャーの彼女がいるから、告白はそんなにされてないみたいだけど…」