キスシリーズ~不器用キス~短編


「弁当忘れんなよ」


階段を降りながら春ちゃんにお弁当を渡される。


「あ、ありがと」


カバンに春ちゃんから渡されたお弁当を入れながら思う。


私子ども扱いされてない?

き、気のせいだよね?


「ほら、もう冬だろ、マフラー忘れてどうすんだよ」


そう言って春ちゃんは自分のマフラーを取ると私の首に巻いていく。


あっ…このマフラー春ちゃんの匂いがする。

キューってちょっとだけ胸が苦しくなった。


「でも、春ちゃんは?」


「俺は別になくても平気」


でも寒そう。

「あの、カイロあるから使って?」


「ん、もらっとく」


素っ気ないけど、春ちゃんは優しいから。
私、そういうところも好きなんだよ?




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