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「えーっと……、それはつまり……どういう意味で?」


「うーん、そうだね。しいて言うならパートナーかな?

……ああ、心配しないで。恋愛とかそういうのじゃないから。仕事の方のね」


「で、ですよねー……、心臓に悪い言い方しないで下さいよ」


仕事の方のパートナーっていうのも意味わかんないけど。まずは恋愛じゃない方だったことにほっと一息。

とりあえず持ったままだった茶碗を畳の上にそっと降ろして、仁さんの方に向き直る。



「あたし馬鹿なんで、ちゃんと説明してもらえますか?」

「馬鹿?君の学校の成績は良いと聞いてるけど……」

「いや、そういうことじゃなくてっ!てか話進まないから脱線しないでっ!!」


なんで私の学校の成績まで知っているのかは、この際もう気にしない。
マイペースなこの人に一々合わせてたら日が暮れちゃう。



「ふむ、ではどこから話そうかな……。

とりあえず……うちの会社は、親族経営だってことは知ってるよね?」

「ええ、それはまぁ……」

「だからね。僕としてはお祖父様の直系の君がぜひとも欲しいのさ」

「……」


親族経営だから、元社長の直系の私が欲しいと。仁さんの話は理解出来なくもないけど、なんでそこに繋がるのかがよくわからない。


「でも、あのっ、直系って言ってもあたしは……っ」

「愛人の子。とでも言いたいんだろう?」


言い返そうとすると、先に仁さんに言葉を奪われた。


「なんだっていいさ。たった一人の、如月の本家の血を引く人間。それが僕には必要なのさ」


言いながら仁さんがまっすぐに私を見据えた。真剣な瞳に目がそらせない。


「……ひとつ、聞いていいですか?」

「なんだい?」

「いま、たった一人のって言いました?」



たった一人の、
如月の本家の血を引く人間。

そんな風に仁さんが私のことを言った。
でもそれって、仁さんのお父さんだってそうじゃないの?

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