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■ □ ■ □
〈これ。面白いの載ってるよhttp://www.…〉
そんなメッセが那由多さんから届いたのは、その日の夜のこと。
那由多さんはまだ日本に居て、今は古川の家のことを手伝っているらしい。
(なんだろ、おもしろ画像とか?)
なんて特に深く考えずに私は那由多さんが貼ったリンクをクリックした。そして、リンク先のページを見て目を見開いた。
「なっ、なんじゃこりゃっ!!」
飛び込んできたのは、なんと貴一さんの写真だった。
しかも。
あのくしゃくしゃの髪の毛は短くなっていて、びしっと隙なく後ろに撫で付けられている。
服装は、スーツをきっちり着こなしていて、年相応の落ち着いた大人の雰囲気を醸し出していた。
おじさま好きの私にはどストライク。
きゅんきゅん胸を高鳴らせ、そのまま無意識に画像を保存してしまった。
そのあとは衝動的にベッドへダイブ。
「きゃーっ!」っと奇声を発しながら布団の上でジタバタもんどり打つ。
(やばいやばいやばいっ!!かっこいいっ!!きーちさんかっこいいっ!!!!かっこいいっ!!)
そして、その数秒後。
はっと我に返る。
(って、なにやってんだ!あたしはっ!!)
数秒前の自分の行動が恥ずかしくて、恥ずかしい行動を自覚すればするほど頬がじわじわ熱くなる……。
そんな頬の熱を振り払うように私はがばっと勢い良く起き上がる。それからパソコンの前に座り直し、そして落ち着いてもう一度画面を見直した。
それはとあるまとめサイトの一ページだった。
タイトルは、
『フルカワの新社長がイケメンすぎる件wwwwwwwwwwwwwwwwww』
「草生えすぎだっつーの!」
パソコンに向かって思わずツッコミ。
大量の草はさておき、気を取り直して記事を読む。
そこには、フルカワの社長交代と新作の発表についてのニュースがさらっと書かれていて、そしてタイトル通り記事のメインの話題はフルカワの新社長……貴一さんがイケメンすぎるという内容だった。
その他にも関連記事がずらっと。
どれもこれも貴一さんの話題ばっかりだった。
私の知らないうちに。
貴一さんはフルカワの新しい社長になっていて。それと同時に、金平糖のポットも新作として発表されていた。
あんなにたくさん関わってきたのに、私は結局なにも知らないまま。その事につきんと胸が痛む。
(きーちさん、すっかり有名人じゃん……)
もう手の届かないほどの、遠い人になったみたい。
もともと歳の差だとか、身分違いだとか、貴一さんと私の距離はずっと遠かったのに。それよりもっともっと遠い。
……そして極め付けは、
写真の中の貴一さんの、左手薬指に輝くシルバーの指輪。
もう私が入り込める隙間なんてないのだと、そう突きつけられた気がした。
〈これ。面白いの載ってるよhttp://www.…〉
そんなメッセが那由多さんから届いたのは、その日の夜のこと。
那由多さんはまだ日本に居て、今は古川の家のことを手伝っているらしい。
(なんだろ、おもしろ画像とか?)
なんて特に深く考えずに私は那由多さんが貼ったリンクをクリックした。そして、リンク先のページを見て目を見開いた。
「なっ、なんじゃこりゃっ!!」
飛び込んできたのは、なんと貴一さんの写真だった。
しかも。
あのくしゃくしゃの髪の毛は短くなっていて、びしっと隙なく後ろに撫で付けられている。
服装は、スーツをきっちり着こなしていて、年相応の落ち着いた大人の雰囲気を醸し出していた。
おじさま好きの私にはどストライク。
きゅんきゅん胸を高鳴らせ、そのまま無意識に画像を保存してしまった。
そのあとは衝動的にベッドへダイブ。
「きゃーっ!」っと奇声を発しながら布団の上でジタバタもんどり打つ。
(やばいやばいやばいっ!!かっこいいっ!!きーちさんかっこいいっ!!!!かっこいいっ!!)
そして、その数秒後。
はっと我に返る。
(って、なにやってんだ!あたしはっ!!)
数秒前の自分の行動が恥ずかしくて、恥ずかしい行動を自覚すればするほど頬がじわじわ熱くなる……。
そんな頬の熱を振り払うように私はがばっと勢い良く起き上がる。それからパソコンの前に座り直し、そして落ち着いてもう一度画面を見直した。
それはとあるまとめサイトの一ページだった。
タイトルは、
『フルカワの新社長がイケメンすぎる件wwwwwwwwwwwwwwwwww』
「草生えすぎだっつーの!」
パソコンに向かって思わずツッコミ。
大量の草はさておき、気を取り直して記事を読む。
そこには、フルカワの社長交代と新作の発表についてのニュースがさらっと書かれていて、そしてタイトル通り記事のメインの話題はフルカワの新社長……貴一さんがイケメンすぎるという内容だった。
その他にも関連記事がずらっと。
どれもこれも貴一さんの話題ばっかりだった。
私の知らないうちに。
貴一さんはフルカワの新しい社長になっていて。それと同時に、金平糖のポットも新作として発表されていた。
あんなにたくさん関わってきたのに、私は結局なにも知らないまま。その事につきんと胸が痛む。
(きーちさん、すっかり有名人じゃん……)
もう手の届かないほどの、遠い人になったみたい。
もともと歳の差だとか、身分違いだとか、貴一さんと私の距離はずっと遠かったのに。それよりもっともっと遠い。
……そして極め付けは、
写真の中の貴一さんの、左手薬指に輝くシルバーの指輪。
もう私が入り込める隙間なんてないのだと、そう突きつけられた気がした。