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「もう、限界……」

なんとか色々ゲームを進めてみたけれどさっきから何度も同じ敵に敗退。何回かリプレイを繰り返したところで私は集中力が切れてコントローラを手離した。


すると、隣に座った貴一さんが待ってましたと言わんばかりに私に手を伸ばして抱きしめる。

しかも腰を触る手つきは心なしかさっきよりエロい。


「ひゃっ!?きーちさんっ!!」

「さっき意地悪言ったお仕置き」


抗議するも笑顔で丸め込まれてしまう。
ついでに、ちゅっとおデコへのチューもつけて。

心臓バクバク。
顔がもう沸騰しそうなくらい熱い。

もう私はいっぱいいっぱいなのに、対する貴一さんはニコニコ笑うだけ。



「あの敵はねー、炎属性だから水か氷属性のパーティで臨まないとー。あと個々のレベルをもっと上げてから〜」

「ひゃあぁぁっ!!!!人のおっぱい触りながらゲームの解説するなっ!!」



ペチンッ!


「痛いなぁ〜」

「きいちさんのばかっ」


どさくさに紛れて胸まで触り出す貴一さんにビンタをひとつ。


気が抜けて全然力が入ってなかったけど、貴一さんはわざとらしく殴られた頬をさする。その表情は笑顔なまま。


これ以上ないくらい恥ずかしかったし、もう本当に信じられないエロおやじだし、最低だし……。



「ごめんごめん、嫌いになった?」

「べつに……」



エロいし、
最低だし、
おっさんだし、


なのに、


(どうしても、嫌いになれない……)


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