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ホワイトデーの翌日からあったテストの結果は、それなりに良好。
テスト勉強の方は気持がフワフワしててそこまで出来なかったけれど、バレンタインの後からずっと猛勉強してたらそのお陰で高得点だった。
成績としては学年で5番目くらい。
クラスには超優等生の雨宮さんがいるからクラスで1位にはなれなかったけど。
それでも教科の先生たちには「やればできるじゃないか!」って泣かれた。
……それで、貴一さんには「すごいね」って褒めて貰えた。
「ご褒美は何がいいかな」
なんて言って、貴一さんは私を甘やかそうとする。付き合い初めてわかったことは、以前にも増して貴一さんはやたら私に甘くなったということ。
「いいよ、ご褒美とか」
「えー、つまんないなぁ」
そう言って貴一さんが私を抱き寄せる。
週末の夜。
私は貴一さんの部屋にお泊まり。
念願だったオムライスを一緒に食べて。
それからあの大きなソファに座って、2人でまったり。
貴一さんが「奈々ちゃん」と呼んでくれて、私の頭を撫でる。
それだけのことが、とても幸せ。
でも、ただ一つ気に入らないことが……
「ご褒美はいらないから、指輪外して」
「えぇー」
貴一さんが薬指に指輪を嵌めたままだということ。