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(なにリアルじゃないって……)
意味がわからない。
(リアルじゃないって……妄想の彼女とか……?うわっ、きも……)
想像して気持ち悪くなった。
「奈々ちゃん今なにかとても失礼なこと考えてるでしょ」
言いながらぎゅっと鼻を摘ままれて、はっと意識が引き戻される。貴一さんがとっても心外そうな顔をして私を見ていた。
「……まったく、奈々ちゃんは本当に僕のことなんだと思ってるの」
「いやぁ……あははっ」
誤魔化し笑いをすると、貴一さんがわざとらしく溜息を零した。それから抱きしめていた腕を解いて、私の手を引いた。
「来て。実際見てもらう方がわかりやすいよ」
言いながら、寝室へと連れてこられた。
貴一さんは部屋にある大きな画面のパソコンを起動させて、私にあるものを見せた。
そのあるものとは……
「なにこれ、ゲーム?」
「そう。オンラインのね」
「オンライの……」
画面に映し出されているのは、アニメっぽいCGのゲーム画面。貴一さんがオンラインゲームだと説明する……。
「えーっと、つまり……?」
「やよいちゃんはゲーム友達です」
頭が追いつかない私に、貴一さんがさらりと説明する。
「げっ、ゲーム友達っ!?」
予想もしていなかった言葉に、私は声を大きくして聞き返す。
「ゲーム友達って……それじゃ、夜に会うとかなんとかって……ゲームの中でってことっ!?」
「そう。一緒にモンスターをハントしたり、クエスト攻略したりね」
「相性が良いって……」
「パーティとしてのね」
「下心とかって……」
「レベル上げに協力するかわりにレアアイテムとか譲って貰ったり」
貴一さんがにこりと笑う。
私はというと、予想もしてなかったことの連続で苦笑いしか出てこない。
「ちなみにね、やよいちゃんは母方の親戚の子でね。今は小学5年生です」
「えっ!?しょっ、小5っ!?」
「うんそう。赤ちゃんの頃から知ってる子だから」
言いながら貴一さんがくしゃくしゃと私の頭を撫でる。
「いくら僕が女子高生の女の子相手に年甲斐もなくベタ惚れしちゃったロリコンでも、さすがに親戚の小学生に手は出さないよ。
それに、僕は奈々ちゃん一筋だからね」
言いながら貴一さんが笑う。
私はもう色々恥ずかしくなって、真っ赤になった自分の顔を覆う
(なにこれめっちゃ恥ずかしいっ!!泣いたりして!!なんて勘違いしてたのよっ、あたしってばっ!!)
「わかってもらえた?」
「わかったっ!わかったから笑わないでっ!!」
穴があったら入りたいってこのことだと思った。穴に入ったらそのまま埋めて欲しいってほど恥ずかしい。