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メリークリスマス!
■ □ ■ □
「あれだけラブラブしてて付き合ってないという方が詐欺よね」
家まで送ってもらっていた最中、車を走らせながら高坂さんが無表情でチクリと一言。
「えー、高坂さんたら覗いてたんですかー?恥ずかしいなぁもうー」
そうへらっと笑って誤魔化そうとするけれど、高坂さんの表情は崩れない。
(気まずい……)
二人きりの車のなか。私はなんだか居心地が悪くて助手席で縮こまる。
高坂さんには貴一さんとはただのメシ友だって言ったばかりだから。もしさっきのキスとか見られてたとしたら絶対嘘だって思われても仕方ない。
最悪、援交とかって思われてるかも。
(あたしだって、チューまでしといて付き合ってないとか詐欺だって思うけどさ。本当に付き合ってないんだもん)
そう心の中で愚痴っていると。
「どうぞ」
信号待ちのタイミングで、高坂さんはどこからか取り出した紙袋を私に手渡した。会社のロゴが入った紙袋で、なかには色々入ってるみたいでずっしり重たい。
「これは?」
「お土産。
当社のマスコットキャラクターのお菊ちゃんキーホルダーに、クリアファイルと3色ボールペン。あとは会社パンフレットと、全国陶器マップに……」
(社会見学か!!!!)
淡々と説明する高坂さんに内心でツッコミ。
袋のなかを確認すると、彼女の説明の通りパンフレットとか、会社の名前入りのだっさい3色ボールペンとかが入っていた。
そのなかに紛れて、少し大きめの高級そうな木箱が入っていた。
「これはなんですか?」
「これは、食器メーカー"フルカワ"の小鉢セットよ」
「フルカワって、あのブランドの?」
「ええ」
行儀悪いと思いつつも、思わずここで木箱を開けてしまう。
艶やかな白。
綺麗な円の小さな陶器。
フルカワの食器って言えば、女子高生の私でも知ってるくらい超高級の有名ブランドだ。
そうか。貴一さんの会社で食器売ってるんだもんね。こんな高級ブランド扱ってるとかすごい。
(……て、あれ?フルカワ?)
感心しながら、ある事に気付く。
貴一さんの苗字も確か、古川……
「あれだけラブラブしてて付き合ってないという方が詐欺よね」
家まで送ってもらっていた最中、車を走らせながら高坂さんが無表情でチクリと一言。
「えー、高坂さんたら覗いてたんですかー?恥ずかしいなぁもうー」
そうへらっと笑って誤魔化そうとするけれど、高坂さんの表情は崩れない。
(気まずい……)
二人きりの車のなか。私はなんだか居心地が悪くて助手席で縮こまる。
高坂さんには貴一さんとはただのメシ友だって言ったばかりだから。もしさっきのキスとか見られてたとしたら絶対嘘だって思われても仕方ない。
最悪、援交とかって思われてるかも。
(あたしだって、チューまでしといて付き合ってないとか詐欺だって思うけどさ。本当に付き合ってないんだもん)
そう心の中で愚痴っていると。
「どうぞ」
信号待ちのタイミングで、高坂さんはどこからか取り出した紙袋を私に手渡した。会社のロゴが入った紙袋で、なかには色々入ってるみたいでずっしり重たい。
「これは?」
「お土産。
当社のマスコットキャラクターのお菊ちゃんキーホルダーに、クリアファイルと3色ボールペン。あとは会社パンフレットと、全国陶器マップに……」
(社会見学か!!!!)
淡々と説明する高坂さんに内心でツッコミ。
袋のなかを確認すると、彼女の説明の通りパンフレットとか、会社の名前入りのだっさい3色ボールペンとかが入っていた。
そのなかに紛れて、少し大きめの高級そうな木箱が入っていた。
「これはなんですか?」
「これは、食器メーカー"フルカワ"の小鉢セットよ」
「フルカワって、あのブランドの?」
「ええ」
行儀悪いと思いつつも、思わずここで木箱を開けてしまう。
艶やかな白。
綺麗な円の小さな陶器。
フルカワの食器って言えば、女子高生の私でも知ってるくらい超高級の有名ブランドだ。
そうか。貴一さんの会社で食器売ってるんだもんね。こんな高級ブランド扱ってるとかすごい。
(……て、あれ?フルカワ?)
感心しながら、ある事に気付く。
貴一さんの苗字も確か、古川……