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12/31 New Year's Eve
年末年始の予定は
「……どこの官能小説だよ」
「ちょっ、ちがっ、続きがあるんだってば!!」
12月26日、月曜日。
冬休みにも関わらず私は学校へ登校する。その理由は、森川先生に貴一さんとのことを報告するためだ。
あの夜のことを森川先生に話すと、先生には官能小説だとばっさりと切り捨てられてしまった。
そう。確かにそこらへんは私もそうだと思うんだけど。これにはまだ続きがあって……。
「結局ヤらなかったの」
「……へぇ」
「あ!なにその顔!?信じてないでしょ!?」
そう。あの後布団に雪崩れ込んだものの、結局は事には及ばなかった。
なぜかというと、あの後にすぐ一本の電話が掛かってきたからだ。
「電話?」
「そう!電話!それのせいで空気ぶち壊し!!あー、もう、最悪……」
押し倒していいとまで言った私の勇気を返して欲しい気分。
思い出しても悔しいやら恥ずかしいやらで、保健室の丸いテーブルに顔をうつ伏せる。すると、くくくっと森川先生の笑をかみ殺す声が聞こえた。
「その電話って?」
「貴一さんのお母さんから。年末年始帰ってくるのかーとか聞かれてたみたい」
「あー。そのまま質問攻めで長電話?」
顔を上げると森川先生も苦笑いしてた。
どうやらこの独身の先生にも身に覚えがあるらしい。
実際、貴一さんもお母さんに電話で質問攻めにされてた。
年末年始はいつ帰るのか、お嫁さんはいつ連れてくるのか、孫の顔はいつ見れるのか。とか。
41歳の独身貴族だから当然と言えば当然の質問かもだけど。貴一さんちはお金持ちだから尚更かもしれない。
それに、跡継ぎ問題とかいろいろあるのかも……と、そこまで深読みしてしまうのはドラマの見過ぎかな。
「あ。それでね、私もお正月に貴一さんの実家に行くことになったの」
「は?」