お嬢様の恋愛模様♡
*誘拐・・・?!*
「ここは・・・何処・・?」
目を覚ますと、そこは大きくて薄暗い部屋だった。
手足を椅子にキツく縛られて身動きが取れない。
すると、部屋の扉が開いて銀髪の男が入ってきた。
「ごめんねー美香ちゃん。君には人質になってもらわなくちゃいけないんだ」
男は私の前に屈んで目線を合わせた。
誰だよコイツ・・。
キモイ。美香ちゃんなんて気安く呼ぶな。
ていうか何なんだ・・。
人質って・・。
意味が分からない。
今多分私ものすごく危機的状況なんだけど、
自分でも驚くくらい頭は落ち着いている。
「あの・・。どうして私が人質にならなきゃいけないんですか?」
「何でって、君が滝沢流月の女だからだ・・。」
「滝沢流月・・。誰ですかその人・・?」
滝沢流月なんて人の女になった憶え無いんですけど・・。
きょとんとしている私に銀髪男が不敵に笑う。
「またー、しらばっくれちゃって!!」
「いや、本当に知らないんです・・」
そう言うも、一向に信じようとしない銀髪男。
だから本当に知らないんだっつーの!
なんだよコイツ!!
ニヤリと笑う銀髪男にイライラする私。
その時、
遠くからバイクの音が聞こえてきた。
その音はだんだん大きくなって、やがて爆音へと変わった。
すると、さっきの赤髪が私達の居る部屋に入って来た。
「総長っ!!来ました!!」
男がそう叫ぶと、気持ち悪い笑みをいっそう歪める銀髪男。
「美香ちゃん。ほら、王子様が迎えに来たみたいだ・・」