お嬢様の恋愛模様♡
「女の子に刃物向けるなんて最低ー!!」
茶髪の人が野次を飛ばす・・。
「うるせぇ!!!」
叫ぶ銀髪男。
怖い・・。
体がガタガタと震えだす・・。
もともと死のうとしてたくせに、いざとなったら怖いなんて
私って弱いな・・。
「それがお前の答えか・・。なら手加減はしねぇよ?」
金髪さんが地を這うような低い声で言う。
そして、次の瞬間
ドンッという大きな音と共に背後の壁に何かがぶつかった。
あまりにも一瞬で何が起こったのか分からなかった。
振り返ると、倒れて気絶しているのかピクリとも動かない銀髪男。
「お前、大丈夫か?」
金髪さんは私を縛っていた縄を解いて、さっきとは別人のような優しい声で聞いてきた。
「はい・・。」
小さく返事をするも、体の震えは止まらない。
すると、
ぎゅっ...
またあの温もりに包まれる。
私に安心感を与えてくれるあの温もりに。
いつの間にか私の頬にはいくつもの涙が伝っていた。
「わー!!ルキが女の子を泣かしたー!!」
子供のように騒ぐ声がする。
でも抱きしめられてるせいで誰が言ったのか分からない。
「悪かったな・・。怖い思いさせて」
「怖かった・・・」
金髪さんの背中に腕をまわすと、「よしよし」と言って私の頭を撫でてくれる金髪さん。
煙草と香水の混ざった彼の匂いに包まれながら、
彼の肩に顔を埋める・・。
胸に広がる安心感と暖かさ・・。
気がつけば体の震えも収まっていた。