紙ヒコーキ
とある夏の日
瞬きほど一瞬の幸せな幸せなもの

それは

世界にとって、小さな小さな恋物語

私にとって、大きな大きな恋物語



**********


「あっつーーーー!!」

うなだれるような猛暑の中私は叫んだ。

山本舞美(やまもと まみ)

高校二年生だ。
雨ばかりだった梅雨も明け、もうそろそろ夏がくる。
夏といったら夏休みだろう。
私はそれを心待ちにうきうきしていた。
まぁだいたいサボっているのだから意味はない。
それに今も遅刻になりそうで走っているわけのだが・・・

「あー!!やっとついたっ」

門の前でそう叫んでしまった。

「山本さーん?」

ギクッ

「・・・あ~うちのクラスの委員長さん??
この前転校してきたぁ」

「この前って一ヶ月前だろ、俺が転校してきたの」

「あっあれ~?おっかしいなー」

「学校サボってるからだろ」

「でっでも転校してきて給に委員長なんてすごいよねぇ」

「まぁ前の委員長が転校したんじゃしょうがないだろ」

「ほぇーさすがっ」

「さすがって・・・あんたは副委員長だろ」

「・・・そうだったっけ?」

「はぁ・・・
とりあえず、俺が委員長になった限りは毎日授業に出てもらうからな」

「はぁ?!」

「はぁじゃねぇ」

「何で私が?!」

「俺はあたりまえのことを言っただけだけど」

「うっ・・・」

「おまえ、学校をなめてんだろ。」

「別になめてなんかないしっ」

「じゃあなんで授業に出ねぇんだよ」

「・・・つまんないから」

「ほら。」


うつむいた顔を上げると君が勝ち誇ったような顔してて、なぜかそれが無償に腹が立った。


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