もう、好きじゃないから。
「……アホ」
友達が笑って僕を見る。
何故か目が潤んでいて、びっくりした。
「どうしたん、お前」
「俺だってなぁ、あいつのこと好きだったんだぞ。
きめえ妄想ばかりしてしまってお前に会いたくなかったのに」
お前になりたかった。
お前になれたら、あいつのこと好きなだけ大切にしてやれたのに。
………友達がそう、愚痴をもらした。
僕は、なんて言えば良いのだろう。
何も、言えない。