アン・ロマンス
夕暮れも深まる午後七時頃、プレリュードを自宅の前の駐車場に収め、僕と母は車内から出て玄関の前に立つ。

母が鍵を鞄の中から探し当てるまでの間、僕はぼーっと空を見上げる。

空は僕の不安な心のように闇に落ちようとしていた。
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