キライ × ときどき × スキな人



「しょーがねぇなぁ〜」



なにが?


なにがですかね?!


むしろしょうがないのは小野くんの脳内だと思うんですけどね!


……なんて事言えるわけないし。


今だに声でないし。



すると小野くんは再びあたしに向き直って、



「しかたねーから俺も町田の事、スキになってやるよ」



破顔一笑した。


その顔がどこか照れ隠しのように見えるのは気のせいだろうか。


訳が分からない。


やっぱり小野くんは苦手だ。



「まぁしかたねーから、今日も一緒に帰ってやるよ」



なんですかソレ。


しかたない意味がわかりませんけど……。



やっぱり小野くんはキライだ。


あたしから目を離した小野くんは、そのまま窓の外を見やった。



「だって今日も雨だしな」



そんな横顔がどこか嬉しそうに見えるのは、あたしの思い上がりだろうか。





ーー雨、


ずっと止まなければいいのにな……。





なんて事を、フと思ってしまったあたしは小野くんに毒されたのかもしれない。


まだ今日という日が始まったばかりだというのに、小野くんと帰る帰り道がとても待ち遠しく思えるんだーー。








【fin】
< 19 / 19 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:47

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました

総文字数/145,912

ファンタジー254ページ

表紙を見る
胸キュン、はじめました。

総文字数/92,824

恋愛(ラブコメ)176ページ

表紙を見る
一途な溺愛王子様

総文字数/108,440

恋愛(学園)208ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop