キライ × ときどき × スキな人
イケメンな小野くんはモテる。
「ねぇ小野くん。小野くんの足はいつ完治するのー?」
だから小野くんの周りにはいつも女子がいっぱい取り囲んでいる。
しかも足を負傷してるのだ。
尚更普段よりも近寄りやすい。
怪我を理由に話しかけやすくなるからである。
「もうあと1週間はダメみたいだな」
「えー、そうなの!?大変だね!私に何か出来る事あったら言ってね。松葉杖だと色々不便でしょ」
「ああ、ありがと。でも今んとこ大丈夫。なんせ隣の席には面倒見がいい町田サンがいるから、なっ?」
小野くんはあたしに同意を求めるように語尾の言葉を投げかけた。
「えっ?ああっ、うん。でもーー」
でも代わりにやってくれる人がいるならあたしは別に……って言おうとしたんだけど、
「なっ、だから大丈夫。ありがとな」
小野くんはあっさりあたしの言葉をもみ消した。