ヒカリ


月曜日の夜の居酒屋は、とても静かだ。


駅前の台湾小料理のお店に入る。
チェーン店なので、店内の内装はどこも一緒だ。
中華風のタペストリーに、おきもの。スチールの丸テーブルに、屋台で見るような小さな椅子。

ゆきと二人、店内の一番奥に案内された。


仕事の話ばかりをして、駅前まで歩いて来た。
できれば幼稚園の近くは避けたかったが、そうもいかない。
ゆきはこの近辺に住んでるのだから、わざわざ電車に乗ってくれだなんて言えない。

まだ月曜日なんだし。


「何飲む?」
拓海は紙のメニューを見せる。

「じゃあ、生中で」
ゆきは言う。


拓海は自分はウーロン茶をオーダーした。


「あれ? 飲まないんですか?」
ゆきが訊ねた。

「まだ月曜日だから」
拓海は笑顔で返した。


水餃子や青菜炒めなど、小皿料理が並ぶ。
二人でハシをもち、食べ始めた。

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