ヒカリ
日差しの下に出ると、ゆきの装いはよりいっそう目立つ。
ほめたほうがいいのかな。
拓海はそんなことを考える。
でもそんな勇気も出ぬまま、二人は並んで歩いた。
結城ならさりげなく手をつないでるだろうな。
拓海はまたそんなことを考えてから、
「仕事だし」
と邪念を追い払うようにした。
ゆきの身長は、拓海より少し小さいぐらい。
もともと大きくはない拓海でも、横に並んでちょうどいい。
「全部で六十袋ですよね。私、お金を預かってきました」
「結構な荷物になるね」
「帰り、幼稚園に置きにいきましょう」
「そうだね」
「じゃ、先にランチしちゃいます? 私これも調べて来たんです」
「何食べるの?」
拓海が訊ねる。
「老舗のビストロがあるらしいんです。でも拓海先生が何か他に食べたい物があれば、そちら優先で全然大丈夫ですよ」
「いいよ、そこで」
「やった」
ゆきはガッツポーズをして見せる。
その仕草が可愛くて、拓海は思わず微笑んだ。