カラダ探し~第ニ夜~
「キャハハハハハハッ!」
長椅子から長椅子へと飛び移って近付いてくるけれど、私はもうホールの東側の壁際にいる。
「赤い人」とは、まだ長椅子を二つ挟んでいるから、ここから逃げ出せる!
なんて、そんな考えは甘いという事を私は思い知らされた。
ホールの東側の入り口へと駆け出した私は、5メートルは離れている、長椅子の上から跳躍した「赤い人」に飛び付かれて……。
その衝撃で弾かれ、白い壁に頭部を打ち付けて、何かが砕けたような音が響いた。
力なく倒れた私に、容赦なくしがみ付く「赤い人」……もうその重みも感じなくなって。
歌も聞こえない……。
変な所を打っちゃったかな?
真っ暗で良く分からないけど……西側の入り口で倒れている留美子と同じように死ぬんだろうな。
そう考えている途中で、私の意識はなくなった。