カラダ探し~第ニ夜~
カバンから取り出したメロンパンを、今買ったお茶と一緒に手渡してくれる。


「準備はできたね。じゃあ一限目は結子が一緒にいるから。南田の授業は出ておかないといけないし」


そう言い、皆で階段の方に向かう。


「カラダ探し」は終わったのに、いつもと変わらない光景。


そこに加わっている袴田と明日香が新鮮に感じる。


二階に上がり、皆と分かれて私と結子は屋上に行く前にトイレに向かった。


不思議だけど、私は「カラダ探し」をした八日間眠っていた事になるんだな。


私には、ほんの一瞬のように感じたけど。


人目につかないように、工業棟のトイレで用を済ませて、再び西棟に戻った。


「結子、ありがとうね。袴田を説得してくれたんでしょ?私と留美子が病院から帰った後に」


「えぇ?何の事ぉ?私はぁ、武司が泣いていたからなぐさめてあげただけだよぉ?」


あ、そっちの口調なんだ……まあ、どっちでもいいんだけどさ。


「でもさ、こんな亀裂だらけの世界で、皆生活してたの?なんか不気味じゃない?」

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