幼なじみがバスケ部に入った訳
「シュート」
両手を頭の上にあげ、腕を伸ばしながら手のひらをひっくり返す。
シュミレーションではちゃんと出来ているのに、
いざボールを持ってゴール下に行くと失敗する。
実践は私に厳しいんだ。
「お前とうとう宇宙と交信しようとか考えてるんじゃないだろうな…?」
1人の空間、いつも聞いている低い声が響いて、
私はパッと顔を向けると同時に手をサッと下した。
「そんな訳ないじゃん!」
必死に答える私に、
低い声……幼馴染の橋本 葵(はしもと あおい)がクツクツと笑いながら近寄ってきた。
橋本……そう、さっき池田君へパスをしていたのが幼馴染だ。