幼なじみがバスケ部に入った訳
「お前今日も間抜け面でバスケ見てたな」
私の隣に葵が並び、それを合図の様に2人で歩き出す。
いつの間にか身長に差が開いた私達。
女子の中でも身長が低い私と、
男子の中でも身長が高い葵だ。
その差は40㎝以上。
サラサラな黒髪で、切れ長の目にはいつも黒縁メガネを掛けている。
その姿は知的なイケメンらしいのだが、
バスケをしている時はコンタクトにしているから、
それはそれでスポーツマンらしさが出て、
ギャップがまた良いようだ。
体育館で葵を応援している女子が居て、
初めて見た時はギョッとした。
「間抜け面じゃないもん!見惚れてただけだもん!」
グッと顔を上に向けて葵に言い返す。
首が痛くなりそうなほど見上げなきゃならないなんて…なんとも憎たらしい男だ。