幼なじみがバスケ部に入った訳
私がブスッとした顔をすれば、チラッと私の顔を見た葵。
「うえっ!」
突然、頭が重くなる。
隣の葵が私の頭に自分の手を乗せたんだ。
『ポンッ』なんて可愛らしいものじゃない、『ズンッ』だった!
あれ……?
違和感を感じて私は両手で自分の頭の上に載っている手を剥がして、
そのまま自分の目の前まで持っていく。
「ん?何」
そんな私を葵は不思議そうに見て、されるがままにしていた。
…………やっぱり……
「葵、前に触った時より手が大きくなってる…」
前に触ったのなんていつなのか覚えていない。
中学3年かもしれないし、小学校6年だったかもしれない。
身長は見てわかるから、差が付くたびに気づいたけど、
手なんてあまり見ないから気づかなかった……
少年の手だった葵の手は、
いつの間にか青年の手に近づいていた。
私から見たら大きな大きな手。